カウントダウン

私が目を覚ましたのは病院のベッドだった。


私がゆっくりと目を開き、私の視界の中に見たことがない白い天井が入ってきたとき、母が私に話しかけてきた。


「美保子!

やっと目を覚ました。

心配したのよ」


私は私を心配していつも違うトーンの母の声を聞きながら、教室で起きた悪夢を思い出していた。


(そうだ……、私は教室で貴史に首を絞められて……)


私の頭の中で殺意をむき出しにして迫ってくる貴史の記憶が蘇ってきた。


私は忍の幻を見ている貴史に突飛ばされ、首を絞められて殺されかけたのだ。


あの息苦しくて、逃げたいのに逃げられない絶望の中で死を覚悟したあのときの記憶が私の体をこわばらせ、どこからともなく降り注いでくるような不安と恐怖が一斉に私に襲いかかってきた。


(私は本当に助かったの?

死のカウントダウンは終わっていない……。

私は忍の呪いで殺されるの?)


「いや……、いや……、いやぁぁぁぁぁ!」


考えれば考えるほど膨らんでいく不安の中で、私は強烈なストレスから叫び声を上げていた。


そして普通ではない私の様子を見て、母が私の肩を揺すった。


「どうしたの、美保子!

ねぇ、美保子! 美保子!」


母は私を心配して必死に私に話しかけていたが、私は母のその言葉に答えられるほど冷静にはなれなかった。