カウントダウン

私は心の底から沸き上がってくる不安で呼吸が苦しくなっていた。


そんな体調の異変を感じていた私は、ざわめく教室内で誰とも会話をせずにうつむき、これから起きる最悪の未来を考えていた。


(忍は私に言った。

今夜の12時までに私は死ぬって……。

死へのカウントダウンは三日前から始まって、今日の日付が変わるまでに終わるんだ……。

でも、何で私が忍なんかに呪われなくちゃいけないの?

人からいつも羨まれているこの私が、あんなクラスの底辺にいた陰キャ眼鏡に……。

どうしよう……。

忍の呪いが怖い……。

カウントダウンが終わる前にどうにかしないと……)


私が不安と恐怖に押しつぶされそうになっている中、時計の針は正確なリズムで時間を刻み、何の解決策もないままに、カウントダウンが終わる時間が近づいていた。


中学生にもなって、幽霊とか呪いとかを口にしたら、きっとみんなは私をバカにする。


でも、私は本当に見ているんだ。


杉田忍の幽霊を……。


考えれば考えるほど、抜け道が見つからない現状で、未来への恐怖だけが少しずつ膨らんでいた。


そんなとき、となりの席の恭子が不意に私に話しかけてきた。


「ねぇ、美保子。

貴史さぁ、あんなおかしなこと叫んでどうしたのかなぁ?」


私は恭子のその声に、ハッとして顔を上げた。


恭子はいつもと同じように優しそうな目を私に向けていた。


「だけどさぁ、このクラスで忍の呪いは禁句だよね。

確かにみんなで忍をいじめたけどさぁ」


恭子が言ったその言葉に、忍のことをいじめていないと、私は反論したかった。


でも私はその言葉を飲み込み、恭子の顔を見つめていた。


「美保子はさ、ぶっちゃけ呪いを信じる?

あの陰キャ眼鏡の杉田忍が私たちを殺しにくるとか……」


恭子は笑いながら私にそう言ったが、恭子のその言葉は私の心を揺さぶっていた。