カウントダウン

私が忍の呪いに強烈な不安を感じている中、教室内でいつものようにホームルームが始まろうとしていた。


さっきまでの貴史の話にざわついていたクラスメイトは席に着き、教室内がしだいに静かになっていった。


そして教室内にいつもの静寂が戻ってきた頃、教室のドアがゆっくりと開いていき、梅田先生教室の中に入ってきた。


梅田先生は教壇の前に立って私たちに目を向け、いつものような一日が始まろうとしていたとき、教室内で私たちが想像もしていなかったことが起こり始めた。


「みんな、オレの言ったことはウソじゃない。

忍はオレたちのことを憎んでいる。

オレたち全員に呪いの力で復讐をしようとしているんだ!」


これからホームルームが始まろうとしているのにも関わらず、貴史が何かに怯えながら、みんなに向かって叫んでいた。


それは普通なら考えられない常軌を逸した行動だった。


クラスメイトたちはそんな貴史に好奇の目を向けていた。


「忍の呪いを解くには忍の遺書を見つけること。

その遺書には忍がみんなに伝えたかった何かが書いてあるはずなんだ。

なぁ、みんなも探してくれよ。

忍の遺書を!

じゃなきゃ、オレは死ぬんだ!

忍の呪いで殺されるんだ!」


このクラスの生徒たちは貴史の話が突飛過ぎて、きっと理解に苦しんでいるはずだった。


でも、貴史が狂ったように叫んだこの切実な悩みを私だけは理解していた。


貴史は忍の呪いを恐れ、どうにかして忍の呪いから逃れようとしている。


「遺書を探せ」と言ってきた忍は、その遺書の中に呪いを解くカギを隠しているのかもしれない。


不安と恐怖に押しつぶされそうな貴史は、せめて忍の遺書を手にしたいと思っているのだ。