カウントダウン

(忍の呪いって本当にあるの?

死へのカウントダウンなんてウソだよね……。

忍は遺書を探せって言ってたけど、忍の遺書なんてあるはずない。

本当に遺書があるなら、もう忍がみんなからいじめられていたことがバレてるはずだ。

忍の遺書なんてあるはずない……)


もしも忍の死がいじめを苦にした自殺で、本当に忍の遺書があるとしたら、その遺書には何が書かれているのだろうと、私はうつむきながら考えていた。


きっとそれには目を覆いたくなるようクラスメイトへの罵詈雑言が次から次へと並んでいるに違いない。


直接的に、または間接的に、肉体的に、または精神的に、このクラスの生徒たちは杉田忍を傷つけ続けたのだ。


クラスの底辺にいた陰キャ眼鏡の忍だって、きっと普通の女子中学生と同じような傷つきやすい心を持っていて、口にできなかった本心を何かに書き残したいと思っていたかもしれないのだ。


もしも忍の心の叫びが書いてある文章が誰かの目に触れたとき、その人はこのクラスをどう思うだろうか?


直接いじめに関わっていなかった私でさえ、悪者にされてしまうのだろうか?


キラキラしている私の人生に暗い影を落とす可能性がある忍の遺書……。


でも、そんなものはきっとないし、絶対にあってはいけないものなのだ。