カウントダウン


アパートから歩いて三十分。


私は明かりのない国道の近くに立っていた。


そして私は閑散とした田舎の国道を車が猛スピードで走り抜けていくのを見つめていた。


(中途半端に生き残るのは嫌だ。

これ以上、惨めな自分でいたくない。

死のうって決めたんだから……。

生きていても良いことなんてないんだから……)


真っ暗な国道にライトの光りが差してきて、私はその光の方に目を向けた。


私はトラックが放つその明るい光りに引き寄せられるように、フラフラと無防備なまま、国道へと足を踏み入れていた。


それはまるで夢のような非現実的な体験だった。


私は猛スピードで迫るトラックを見つめながら、他人事のように自分の最後の瞬間を受け入れていた。