「私はお前に呪いをかける……」


忍はそう言うと、血色の悪い不気味な顔を私にぐっと近づけてきた。


陰キャ眼鏡の忍のトレードマークになっているあの黒縁の丸メガネの奥にある瞳はまばたき一つしないで、じっと私をにらんでいた。


私は忍に恨まれなくてはならない理由もよくわからないままに、忍からの強烈な悪意を感じていた。


「清水美保子……。

三日以内にお前は死ぬ」


(何これ?

どうして私が呪われなくちゃいけないの?)


不安と恐怖の中で沸き上がってきたその疑問が私の頭の中で膨らんでいた。


いじめが原因で死んだかもしれない忍が幽霊になって出てくることがあったとしても、私は忍をいじめていない。


だって私はあいつとは違う世界に生きているはずだから。