【柳田貴史side②】

ホームルームが始まる時間に教室から連れ出されたオレはその後、職員室で梅田先生にこっぴどく叱られた。


幽霊や呪いや復讐など、オレが口にした言葉たちはクラスメイトを怖がらせるだけの迷惑な言葉だというのが梅田先生の言い分だった。


オレはそんな梅田先生の言葉に反論して忍の呪いは本当にあると主張したが、オレのその言葉は梅田先生の怒りを更に煽ることにしかならなかった。


梅田先生の説教はかなり長い時間に及んだが、忍の呪いなどないと断言した梅田先生の言葉はオレの心に響かなかった。


(オレの言葉を信じてくれる奴はこの学校に一人もいない……。

何でだ?

オレの言葉はそんなに信用がないのか?

夜中の十二時までに忍の呪いが襲ってくるのに……。

カウントダウンは止まらずに続いているのに……)


友達が多いオレなのに、今のオレはなぜだかクラスで孤立していた。


オレの切実な悩みの言葉はクラスの誰にも届いていないのだ。


かつて、あのいじめられっ子の杉田忍が誰からも相手にされていなかったように……。