【芦田梨花side⑫】

私と雄一は喫茶店を出て、雄一の部屋に来ていた。


忍の遺書が小説投稿サイトにある確率が高いということはわかったが、たくさんある小説投稿サイトのどの作品が忍の遺書なのか、それが私たちには見当もつかなかった。


私と雄一はスマホを手に取り、いろんな小説投稿サイトを開いてみたけど、どうやって忍のアカウントを見つければ良いのわからない。


闇雲に小説投稿サイトを見ているだけでは、今日の24時までに忍の遺書は見つからない。


だとしたら、どうすれば忍の遺書を見つけることができるのだろう?


私は答えが見つからないその問いに、思わず弱音を吐いていた。


「小説投稿サイトって、たくさんあるんだね。

それに小説投稿サイトにある作品なんて数えきれないほどあるし……。

どうすれば忍の遺書は見つかるんだろう?」


「オレの予想だけど、忍はオレたちが忍の遺書にたどり着けると思っている。

だからオレたちに遺書を探せって、メッセージを送ってきたんだ。

オレは仮説を立てるべきだと思う。

どうして忍はオレたちに遺書を見つけられると思ったかを」


私は雄一の話を聞いて、雄一が言っていることが正しいような気がしていた。


私たちが絶対に忍の作品を見つけられるとしたら、どういう場合だろうと思いながら。