「ありがとう、雄一君。

私のためにたくさんの時間を使ってくれて……。

私ね、今日のことは絶対に忘れない。

雄一君が私に言ってくれたこと、私のためにしてくれたこと。

私は絶対に忘れないよ」


私がそう言うと、雄一は私を見つめながら私の頭をなでてくれた。


雄一は決して背が高い人じゃないけど、私の背が低いからいつも雄一を見上げてしまう。


私は雄一の優しい顔を見つめながら、自分はこの人に守られていると感じると、うれしかったし、落ち着いた気持ちになれた。


宮国中学の三年二組の教室は今、ひどいことになっているけれども、私があのクラスの生徒にならなければ、雄一と付き合っていないかもしれなかった。


そう小間生と、あのクラスの生徒になったことが悪いことだとは思えない。


私はあのクラスの生徒になり、あの教室で雄一を好きになる。


そんな運命のシナリオを私は書き換えたいとは思わない。