(忍……。

私は忍がこんなにもたくさんの恨みと憎しみを抱えていたなんて知らなかったよ。

それは私だけじゃなくて、私以外のクラスメイトたちも……。

私たちはどうして気づけなかったんだろう?

いつも同じ教室にいて、同じ時間を過ごしていたのに……)


私の瞳が涙でにじんで、私がゆっくりと目を閉じたとき、さっきまで消えていた照明が急について、部屋の中が明るくなった。


そしてそれと同時に忍の姿が消えてなくなり、私にかかっていた金縛りもウソみたいに解けていた。


私は右手でこぼれ落ちる涙を拭い、恐怖に震えながら、たった一つのことを心に誓った。


(私が必ず忍の遺書を見つけてみせる。

そして私は忍が私たちに本当に伝えたかったことを知らなくちゃいけないんだ。

私は怖くても絶対に逃げない。

私が忍の呪いを解かなくちゃいけないんだ)


息が詰まるほどの恐怖の中で、私の心臓がまだドキドキと音を立てていた。


(忍が遺書を見つけて欲しい理由は何だろう?

忍の遺書にいったい何が書かれているんだろう?)


私は窓の外の暗闇に目を向けながら、そんなことを考えていた。