【杉田忍side②】

ある日の休み時間、男子は体育の授業のために早めに教室からいなくなり、窓際の席ではいつものように数人の女子グループが集まって話をしている。


性格ブスのくせに男子から人気のある柏木愛美とその取り巻きたちのグループだ。


神様はどうしてあんなに性格の悪い人間に最高にキレイなルックスを与えたのだろう?


もしも私があんなにキレイな女性になれるのなら、私はどんな犠牲でも払ってもいいって思えるのに……。


いつも男子からチヤホヤされている柏木愛美を見ていると、正直、羨ましいし、私もあんな風になってみたいと思ってしまう。


でも、それと同時に、私は柏木愛美の不幸をいつも心の底から願っているのだ。


神様は柏木愛美をあんなにキレイな顔にしたのだから、柏木愛美に目を覆いたくなるような大きな不幸がなければ、世の中は公平にならない。


私は不公平なこの世の中が憎いほどに大嫌いだ。


どうしていつも私ばかりに残りカスのハズレくじが集まってくるのだろう?


世の中は公平でなくちゃいけないはずなのに……。