私は雄一の優しい言葉に胸が熱くなっていた。


私は知らぬ間に忍に憎まれ、呪いまでかけられていた。


そしてその呪いを解かなくては、私はきっと死ぬだろう。


私には引き返す道もなければ、別の道を選ぶ選択肢もない。


今の私にできることは雄一と一緒に忍の遺書を探すことだけだ。


忍が死んでしまっている今、あのアパートに住んでいるのは忍の父だけのはずだった。


心を込めて事情を話せば、忍の父はきっと忍の遺書のことを教えてくれるに違いない。


私はそう思って気持ちを固め、雄一に言葉を返していた。


「ありがとう、雄一君。

雄一君が一緒にいてくれて本当に良かった。

私一人じゃ、怖くて何もできないから」


そう言った私の肩を雄一は優しく抱いてくれた。


私は雄一がいることで不安がやわらぐのを感じながら、雄一の胸に自分の頭を預けていた。


(どんなに今が恐ろしくても、もう少しで呪いは解ける。

私は忍の呪いなんかに絶対に負けない)


私はそう心に誓うとゆっくりと頭を上げて、雄一の顔を見つめていた。