「雄一君、一緒に行こう。

忍の家に……。

忍の遺書を見つければ、忍の呪いは解けるはずだから。

終わらせよう。

私たちで……」


「梨花、家からずっと走ってきたんだろ?

つらくないか?」


「もう大丈夫だよ。

息も苦しくないし」


「そっか……。

それじゃ行こうぜ。

忍の家に」


「そうだね。

雄一君、ありがとう。

私に付き合ってくれて」


「当たり前だろ。

梨花がピンチのときはいつだってオレが梨花を守ってやる」


私は雄一が優しくそう言った言葉に笑っていた。


雄一は真面目で地味なタイプの人だけれど、本当は頼りがいがあって、強い人だ。


そのことは私が一番よく知っている。


私の心の真ん中にいつだって雄一はいるのだから。


「行こう、梨花」


「うん、行こう」


私は雄一の言葉に小さくうなずき、私たちは歩き始めた。


呪いが発動する時間は刻一刻と迫っている。


それまでに呪いを終わらせる。


私はそう心に強く誓っていた。