「前にも言ったけど、忍は雄一君が好きだったんだよ。

きっと忍は教室の中で雄一君を見ていた。

雄一君と仲良く話す私のことも。

だから私はずっと前から他の人よりも忍から恨まれていたの……」


「そんな理不尽な話があるかよ!

誰かを好きになる度に恨まれたり、憎まれたり、呪われたりしたんじゃ、命がいくつあっても足りないよ。

そんな理由で梨花を殺されてたまるかよ!」


いつもは優しい雄一が私のために本気で怒っていた。


そんな雄一を見ていると、やっぱり自分はこの人が大好きだと思ってしまう。


雄一を好きになったことで呪われるのなら、それはあり得ないくらいに理不尽で、絶対に許してはいけないことだ。


私は忍の呪いと向き合って、忍の呪いに勝たなくてはいけないのだ。


間違っているのは忍だから。


私は何も悪くないから。