カウントダウン

私は電話を切り、深いため息をつくと、窓から外を眺めていた。


あと数時間で、クラスに暗い影を落としていた大きな問題が終わるかもしれない。


忍の呪いも恨みも憎しみも、すべてこの世から消え去って、私たちは元の生活を取り戻せるかもしれない。


忍の自殺も、忍の呪いで死んだ人たちも、全部ウソだったみたいに、また平穏な生活が……。


私はそんなことを思いながら、スッと立ち上がり、雄一と会うために服を着替え始めた。


私の彼氏の雄一は、優しくて真面目で素敵な人だ。


私はもう一度生まれ変わっても、また雄一と付き合いたいって思っている。


クラスではあまり目立たない雄一だけど、そんな雄一を忍も好きだったことには気づかなかった。


忍には好きな異性なんていないと思っていたから。


忍は教室内でうつむいてばかりいて、自分以外のクラスメイトに興味がないと思っていたから。