【立花優子side②】

「私は幸せそうなお前が嫌いだった。

お前なんて死ねばいい。

私はずっとそう思っていた」


夢の中に出てきた忍が言ったその言葉を思い出す度、私は生きた心地がしないほどにゾッとして、心が恐怖に包み込まれる。


私たちが通う宮国中学の三年二組の教室は、いじめられていた杉田忍に呪われている。


そして忍の呪いは私にまでやってきたのだ。


私は忍が嫌いで挨拶することもなかったけど、忍をいじめたりはしていない。


幸せそうな私が嫌いだと言った忍の言葉は、理不尽過ぎる。


もしも忍が私に言った言葉が本当ならば、私は今日、忍の呪いで死んでしまう。


「カウントダウンは止まらない」と、忍は私に言っていたから。


忍の呪いを解く唯一のカギは、忍の遺書を見つけることだ。


私は自分の部屋で忍の呪いに怯えながら、生きるために一つの決断を下していた。


その決断は今から忍の家に行って、忍の遺書を探すことだ。


私はそう思って家を飛び出し、一人で夜道を歩き始めた。