「助けて……。

誰か助けて……」


オレの絶望的なつぶやきを聞いて、忍はうれしそうに笑っていた。


学校では笑ったことなどない忍なのに……。


いつも不幸そうな顔をして、うつ向いていた忍なのに……。


オレはそんな忍に理不尽な怒りを感じながら、燃え盛る炎の中で目を見開いて笑っている忍に向かって叫んでいた。


「オレはお前の遺書を探していた。

お前の呪いを解くために。

忍、お前の遺書には何が書いてある?

お前はオレたちに何を伝えようとしているんだ?」


本当に存在するかもわからない忍の遺書。


そこにはいったい何が書かれているんだろう?


その遺書には忍の呪いを解くほどの重大な何かがあるのだろうか?


忍はオレたちに何かを隠しているのだろうか?


オレはそのことに対する忍の答えを待っていたが、その答えが返ってくる前に、巨大な炎がオレの体を包み込んだ。


オレは自分の体が焼かれる絶望の中で、まるで獣のような叫び声を上げていた。