声を荒らげないようにするあまり、どんどん口調がぶっきらぼうになっていく。

ここまで怒ることは滅多にないのだが、今回はどうしても見過ごせなかった。


というのも。


『質問です。おたくの彼女は何を見て喜んでいるでしょーか?』


脳内再生できそうなメッセージと一緒に、美羽の横顔の写真が添付されていたから。

いたずらっぽい文が一瞬にして煽り文に変わり、腹を立てたというわけだ。



「俺に内緒で会ってたのか?」

【いーや、買い物中にたまたま会っただけ】

「……じゃあなんであんなに笑ってるんだよ」

【さぁ、なんででしょうねぇ。ヒントは華江の好きなものでーす!】



鼻につく声で答えを焦らす宗星。

見惚れるほど好きなものといったら……。



「……お菓子か」

【ピンポーン! さっすが彼氏! よくわかってるぅ】

「当然だ。で、どこで会ったの? まさか行きつけのお店に連れていったとか?」

【デパ地下のチョコ売り場だよ。約束もしてないのに連れていくわけないでしょ】