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大河の部屋は15階。


鍵を開けて中に入ると広い玄関にしっかりと磨かれた革靴が1足。


その横で靴をぬいで部屋に上がるとその広さに唖然としてしまった。


広いリビングダイニングには手前がキッチンになっていて6人かけのダイニングテーブルが置かれている。


二人暮らしにしては大きすぎる冷蔵庫に、ワインセラー。


キッチンはスッキリと片付いていて、調味料や油が出しっぱなしになっている美緒の部屋とは大違いだ。


リビングには大きなテレビに丸くて白いテーブル。


4人かけのソファにはゆったりと座れそうだ。


思わず「ほぅ……」とため息を漏らしてしまう。


しかし、部屋のあちこちには陽菜さんの私物が目に入る。


一緒に暮らしているのだからわかっていたことなのに、それらにいちいち胸が痛んでしまう。


嫌な感情を振り払うように、美緒はソファに座ってスマホを取り出した。


ここへ来る前に会社には休むことを連絡してある。


でも、メールの返信などできる仕事はやるつもりでいたのだ。


高級そうなソファに座ってする仕事はなんとも落ち着かないものだった。