真夜中のサイコパス

「お前の恋敵、木村菜々子。

お前はあいつを排除したいと思っている」


浜中美澄がそう言った言葉に、私は強烈な悪意を感じた。


このままでは取り返しのつかないことが起きる予感が私の心を不安にさせていた。


「ねぇ、あなたは今、なにを考えているの?

確かに私は木村菜々子に勝ちたいよ。

でも、排除とかそんなことは思っていない。

私はただ拓実君に好かれたいと思っているだけで……」


「有島咲良、私がお前に教えてやろう。

人は普通、本心を隠して生きている。

心の奥にある欲望を抑えながら生きている。

でも、安心しろ。

私がお前の隠れた欲望を叶えてやる。

私がお前の体を借りて」


「や、止めて……。

私はそんなことを望んでない。

私の体から出ていって!」


自分が自分でいられなくなる恐怖。


これから自分はどうなってしまうのだろうという不安の中で、私は声高に叫んでいた。


そして私は恐怖の中で目を見開き、保健室のベッドの上で目を覚めした。