「浜中美澄の幽霊を呼び出すなんて、そんなことが本当にできるの?」


「もちろん!

もしも私が知っているウワサが本当ならば……」


私はそう言った優子を見てニコリと笑った。


優子はたまに言葉が悪いときはあるけど、本当は優しくて友達思いな女の子だ。


私はそんな優子が大好きだし、優子も私のことを好きでいてくれている。


私は里山高校の都市伝説がウソでも構わないし、一年三組の教室に浜中美澄が現れなくても良いと思う。


ただ私はドキドキするような夢が見たいのだ。


こんな平凡で取り柄のない私でも、あのイケメンの須藤拓実の彼女になれるかもしれないという最高の夢を。


私はそんなワクワクするような思いを胸の中に忍ばせながら、優子に話しかけていた。


「ねぇ、優子。

私のために浜中美澄の幽霊を呼び出して。

里山高校の都市伝説が本当かウソか試してみよう。

もしもその都市伝説がホンモノなら最高にラッキーだよ。

まるで宝くじが当たったみたいに」


私が明るい口調でそう言うと、優子は私のその明るさに少しだけ釘を刺した。