美澄は朋子の死体を見下ろしながら、狂ったように笑い出した。


建設的な考えをなくした美澄にとって、破壊こそがすべてだった。


そして朋子の死と共に、粉々に砕け散って暗闇の中に落ちていった自分の未来が、美澄はおかしくてたまらなかった。


美澄はしばらくの間、朋子の死体の近くで笑い続け、ようやく冷静さを取り戻したとき、もう後戻りができない自分の運命を自覚して、自分の首をナイフで切った。


ナイフで切り裂かれた美澄の首から大量の血が吹き出し、その場に立っていられなくなった美澄は朋子の死体を抱きしめるように倒れ込み、呆気なく死んでしまった。


なぜ美澄がこれほどまでに狂ってしまったのか、その理由は誰にもわからない。


ただ、この事件から十五年経った今も、美澄の魂は里山高校の校舎で未だにさまよっているらしい。


恋敵に勝ちたいなら、美澄の幽霊を呼び出して、恋敵を呪えばいい。


それが里山高校の都市伝説だ。


美澄の幽霊が本当に恋敵を呪うのかを知っている人は誰もいない。


でも、そんなウワサが立つこと事態、美澄の幽霊が本当にいる証拠かもしれなかった。