真夜中のサイコパス

「剛志君とも仲が良いみたいだね。

ねぇ、朋子。

親友の彼氏を奪って、恋人になるってどんな気持ち?」


美澄が事故にあうまでは、いつも一緒にいて、あんなに仲良しだったのに、今の美澄の言葉には悪意しか感じられない。


もう絶対に修復不可能な関係に朋子は開き直り、美澄の方を振り返った。


「ねぇ、美澄。

もう二度と私に話しかけないで!

美澄に話しかけられると不幸が移る。

絶交だよ、これからずっと」


美澄に絶交を言い渡すことは朋子にとって勇気が必要だった。


美澄とはたくさんの楽しい思い出があるし、いつかは美澄が立ち直ることを期待していたから。


でも、もうこれからは美澄が変わることに期待はしない。


かつては里山高校のアイドルだった美澄も、今では顔に醜い火傷を跡を作った陰キャなのだ。


過去は過去、今は今。


自分はもう二度と美澄と友達には戻らない。