真夜中のサイコパス

ある日の放課後、朋子が教室に入ってきて、そこにいた美澄と顔を合わせた。


美澄と朋子以外に誰もいない教室で、朋子は気まずそうに机の中の忘れ物を取って、美澄にはなにも話しかけず、教室を出ていこうとした。


でもそのとき、朋子の後ろから美澄が朋子を呼び止める声がした。


朋子はその声に振り向かずに足を止め、後ろにいるはずの美澄に意識を向けていた。


「ねぇ、朋子。

最近は人気者みたいだね。

親友を裏切って、人気者になるってどんな気持ち?」


朋子は後ろから聞こえてくる悪意のある声に体が震えた。


ずっと友達だった美澄が今では自分を憎んでいることが、朋子にもハッキリと伝わっていた。