美澄は朋子に罰を与えることを決めてから、毎日ノートに自分の妄想を書き綴った。


ノートに書かれている美澄の妄想は全部、自分を裏切った朋子を罰する内容だった。


朋子を悲しませること、傷つけること、孤立されること、絶望されること……、そして朋子を殺すこと。


美澄は思いつくままに、朋子への復讐の物語を書き綴ったが、その物語は次から次へと溢れてきて終わりがなかった。


未来に良いことが見当たらない美澄は、朋子を恨み、憎むことで、心のバランスを取っていたのだ。


そして美澄が書き綴った朋子への復讐の物語が、ノート三冊目になったとき、美澄は復讐の物語を実行に移さなければならないと思い始めた。


妄想の話だけでは、罪深き朋子に罰を与えることができないのだ。


美澄はそんな思いを胸に、ノートの白紙の部分をたくさん使って、『朋子を殺す!』と何度も何度も書き続けた。


このときの美澄は自分の生活が上手くいかないことをすべて朋子のせいにして、朋子のことを憎んでいた。


美澄は毎日、朋子の不幸だけを心から願っていた。