かつての恋人、横峯剛志が朋子と仲良く話しているとき、美澄の心が一番痛んだ。


そして朋子が楽しそうに笑っているのを見ると、美澄の心の中で憎しみの炎が燃えたぎった。


朋子は自分が一番大切にしたものを奪っていって、みんなの前で悪びれずに笑っているのだ。


それは美澄にとって、百の大罪を犯すことよりも許せないことであった。


横峯剛志のとなりに立って、笑っていいのは自分だけだったはずなのに……。


横峯剛志に愛されているのは、自分だけだったはずなのに……。


決して許されない大罪を犯した朋子には、大きな罰を与えなくてはならないのだ。


そうでなくては、朋子という許されざる人間をこの世にのさばらせることになるのだ。


朋子にはどんな罰を与えるべきだろう?


美澄はそんなことを考えて不気味に笑った。


自分の未来が暗闇に閉ざされた美澄は、朋子の未来もめちゃくちゃにしてやろうと考えていたのだ。


朋子というかつての親友が誰よりも憎いから。


友達を裏切ることは百の大罪よりも罪深きことだから。