優子がまた血にまみれたナイフを振り上げていた。


私は自分の死を受け入れながらその様子をじっと見ていた。


そして私は浜中美澄の支配が解けた体で、精一杯につぶやいていた。


「ごめんね……、優子」


私の声は小さ過ぎて、きっと優子には届いていない。


だけど、それでも構わないと思う。


私は私の口で、ちゃんと優子に謝れたから。


優子が勢いよく振り下ろしたナイフが私の心臓に突き刺さり。次の瞬間、私の意識がこの世から離れていった。


たくさんの後悔と共に、私はこの世から去ったのだ。