(悔しいな……。

浜中美澄に体を奪われたこと。

親友の優子に憎まれたこと。

こんな未来を望んでなかったのに、私はこんな風になっちゃって……)


復讐に燃えている優子が私の体に馬乗りになり、何度も何度も私の胸にナイフを突き刺していた。


その度に、私の頭の中で浜中美澄の悲鳴が聞こえていた。


そしてついに浜中美澄の声がパタリとしなくなって、私は浜中美澄の悪霊が私の中から消え去ったことを知った。


私はようやく浜中美澄の支配がなくなった体で、薄れゆく意識の中、自分の死を受け止めていた。


(自業自得だよね。

私はみんなを不幸にしたんだから。

罪を犯した私が罰を受ける。

仕方がないことだよね)


返り血を浴びた優子が肩で息をしながら、私のことを見下ろしていた。


優子はよほど私を憎んでいたのだろう。


顔を覆っている包帯のすき間から見える目が憎しみに燃えて血走っていた。


だけど、優子をこんな殺人鬼に変えてしまったのは私だ。


すべて私が悪いのだ。