浜中美澄がスマホを手に取って、ラインを開くと、優子からのラインが届いていた。


私はそれを見て優子が無事であったことにホッとすると同時に、優子が私になにを伝えようとしたのかが気になった。


優子はあのときの通り魔の犯行が誰の仕業であるか気づいているだろうか?


私は仮面を被っていたとはいえ、その体型や雰囲気や仕草とかで、優子はあの通り魔が私だと気づいているのではないだろうか?


だとしたら、私に送られてきたラインは憎しみの言葉が連なっているはずだった。


私はそんな優子の言葉を見るのは怖かったけど、それを確認するのが優子の未来を奪った私の義務だと感じていた。


だけど、私の体を支配する浜中美澄は優子からのラインを開かずに、スマホをポケットの中にしまい込んだ。


精神異常者の浜中美澄には罪悪感というものが少しもないのだ。


私はそんな浜中美澄に腹を立て、浜中美澄に心の中で話しかけていた。