(ねぇ、浜中美澄。

私の中から出ていって。

私の体を今すぐ返して!)


私は心の中で強く念じるように、浜中美澄に訴えていた。


(あなたのせいで、私が私でなくなっちゃう。

みんなが偽物の私を私だと信じちゃう)


浜中美澄は私のその声を無視して、クラスメイトと話し続けた。


私はそんな浜中美澄を憎み、殺してやりたい気持ちにかられていたが、私には自分の意思で動かせる体がないし、どうすれば浜中美澄をこの世から消し去れるかがわからない。


そんな現実を突きつけられて、私は落胆のため息をつく。


私はきっと浜中美澄に負けたのだ。


優子だけじゃない。


私も浜中美澄に自分の未来を奪われたのだ……。