(浜中美澄って本当に最低だ。

こんな最低な人を呼び出してしまった私も最低だ……。

私は浜中美澄に体を乗っ取られているうちに、優子のことを傷つけてしまった……。

優子はどれほど怖い思いをしただろう。

自分の人生がめちゃくちゃにされていくのをどんな風に感じていただろう。

私は取り返しのつかないことをしてしまったんだ。

もう優子は普通の高校生には戻れないんだ)


私は優子のことを思い、大粒の涙をポロポロと流していた。


自分はもうダメだ……。


もう誰にも会いたくない……。


もう死んでしまいたい……。


「なにを泣いている有島咲良。

もうすぐお前の夢が叶うのに。

邪魔者が一人ずついなくなるのに」


私は浜中美澄を憎みながら、この人にはなにを言ってもムダなのだと感じていた。


この人に私の言葉が通じないなら、この人の存在を消すしかない。


そしたら私は罪を償おう。


親友の未来を奪った罪を。


この人をこの世に呼び寄せてしまった罪を。


私は机の上に置いてあったお札を握りしめ、そのお札をかざし、浜中美澄の幽霊の元へと走った。


「消えろ! 浜中美澄!

お前がみんなを不幸にするんだ!

お前はこの世にいてはいけないんだ!」


私は自分の命に代えても浜中美澄の悪霊を消し去ろうと思った。


それで私の罪が帳消しになるわけではないけれど、私にはこれくらいのことしかできないから。