(今日も木村菜々子は学校に来ていない……。

よっぽどケガの具合が良くないのかな?

明日には学校に来ると思うけど……)


木村菜々子が学校に来ないことに責任は感じていたけど、彼女が教室にいないことにホッとしている自分がいた。


それはまるで私の罪に対する裁判が先送りされたみたいな気分だ。


このままずっと、私の罪が裁かれなければいい。


私の中にそんなズルい考えが巣食っていた。


(私の心配の種は木村菜々子だけじゃない。

優子との関係も私には大きな悩みだ。

今日こそは優子と仲直りがしたい。

優子は私の大切な友達だから)


私は騒がしい教室の中で席に着き、少し離れている優子の席に目を向けた。


でも、優子はまだ教室に来ていなかった。


優子は早く学校に来るタイプではないけれど、あと十分もすれば、ホームルームの時間になってしまう。


(優子になにかあったのかな?)


私がそんなことを思っていたとき、優子と仲が良い麻衣が血相を変えて、私のところにやってきた。