不安な気持ちの中でため息をつき、私は鏡に映る自分を見ていた。


私は疲れた顔をしていたけど、それでも自分が以前とは違い少しずつキレイになっていくのがわかる。


なんの努力もしていないのに、自分がキレイになっていくのはある種のミステリーだ。


私に起きている外見の変化、性格の変化は、あの浜中美澄の影響としか思えない。


私はこのまま浜中美澄を憎みながら、彼女と自分の体を通じて共生していかなくてはならないのだろうか?


体を持たない浜中美澄の幽霊は、私を支配することで、自分の体を持とうとしているのだろうか?


だとしたら、浜中美澄の最終目的は私の中から私の意識を追い出すことだ。


もしもそんなことが現実になったなら、私は本当に私ではなくなってしまうだろう。


私はこんなにも大きな悩みを誰にも相談できずにいた。


一番の友達である優子とは仲違いしているし、そうでなくても浜中美澄のことを優子に相談できたとは思えない。


だから私はこの大きな悩みを一人で解決しなくてはならなかった。


浜中美澄を私の中から追い出すこと。


これが私にとって一番重要なことだから。