真夜中のサイコパス

「どうにかしなくちゃ……。

今のままじゃ、私はきっとまた事件を起こす。

私はまた誰かを不幸にする」


私がそうつぶやいたとき、鏡に映る私の背中から白いモヤが現れ出した。


そしてそのモヤは次第に人の形に変わっていき、私は私の背後に立つその人影を見て目を見開いた。


「あっ……、浜中美澄……」


鏡に映る浜中美澄は私を見て笑っていた。


彼女の高慢なその笑みは、自分の身に起きている変化に戸惑っている私を嘲笑っているみたいに思える。


私はそんな彼女に怒りを覚えながら、彼女の方を振り返っていた。


「どうして私を見て笑っているの?

私の人生がめちゃくちゃになっていくのがおかしいの?

あなたと関わってからろくなことがないよ。

お願いだから、もう私に関わらないで!」


私はそう言った後に、火傷でただれた彼女の顔を見ていた。


かつては里山高校のアイドルと言われた浜中美澄の顔は、不気味なほどに醜かった。


この火傷のせいで、浜中美澄は里山高校のアイドルでいられなくなり、大好きだった彼氏にもフラれてしまった。


そして浜中美澄は友達を残酷に殺してしまうほどのサイコパスに変わってしまったのだ。


きっと人は自分の未来が暗闇に閉ざされると、他人の不幸を願うのだと思う。


だから浜中美澄は関わる人間をみんな不幸にしていくのだと思う。


まるで彼女の未来を覆った暗闇が、キラキラと輝く他の未来をすべて黒色に変えてしまうみたいに……。


「私はずっと私でいたいの。

私はあなたなんかになりたくない!

だからもう私には関わらないで!

私の体を支配しないで!」


私がそう叫ぶと、浜中美澄は声を上げて笑い出した。


彼女の笑いは私の言葉をバカにしているみたいだ。


彼女には私の言葉に耳を傾けるつもりが少しもないのだ。