真夜中のサイコパス

「今日は中川がいないもんだから、たくさん話しちまったな」


「そうだね。

優子がいたら、こんなことは話せなかったかも……」


「たまにはありじゃね。

こんな日も」


「そうだね。

私も拓実君のことがたくさん知れてうれしいよ」


いつでも、どんなときでも、浜中美澄は拓実のよろこびそうな言葉を選んで、スラスラと話してしまう。


そして、そんな浜中美澄の力を借りたならば、本当に拓実の恋人になれそうな気がしてくる。


浜中美澄の言葉にはきっと魔力がこもっている。


好きな人の気持ちを引き寄せる魔力が。


浜中美澄の力を借りて、拓実に好かれている私は本当にズルい。


でも、私には拓実と楽しく話せる時間が夢のようだ。


もしかしたら、これが里山高校の都市伝説の力かもしれない。


私は浜中美澄が嫌いだけど、拓実とは付き合いたいと思っている。


私はこのままズルを続けるべきだろうか?


本当の自分がそこには少しもいないのに……。