(私の気持ちをあなたに教える)


私は自分がノートに書いた文字をにらみながら、自分の中にいる浜中美澄に話しかけた。


(私はあなたのことが大嫌い!

あなたのせいで私の人生がめちゃくちゃになって、私はきっと不幸になる。

私はあなたを排除したい!

私の中から排除したい!

この世の中から排除したい!)


私が強くそう思ったあと、私の右手がまた勝手に文字を書き始めた。


私は私に文字を書かせている浜中美澄を憎みながら、ノートに書かれた文字を読んでいた。


『お前の気持ちはよくわかった。

だから今度は、私の気持ちを教えてやろう。

私は木村菜々子に小さな不幸を与えたが、あんな小さな不幸では私の心は満たされない。

私は自分が体験したのと同じくらいの不幸をたくさんの人にばらまきたいのだ。

他人の不幸が私の幸せ。

私は他人の不幸が大好きだ』