私はうつむきながら胸に手を当て、私の中にいる浜中美澄を意識した。


どうすれば私の体に取りついている幽霊と縁を切ることができるだろうと思いながら。


(本当ならこの悩みを優子に相談したい。

優子はいつだって私の味方だから。

だけど、このことを話したときの優子の反応が私は怖い。

もしも、本当の私を知った優子が私から離れていったら……)


浜中美澄の幽霊は本気で私の恋を成就させるつもりなのかもしれない。


だけど、私の恋の成就には不幸な匂いがつきまとう。


木村菜々子にも、私にも、そして私の回りにいるすべての人にも……。