心臓のバクバクは止まらない。それどころか、どんどん加速する。
好きな子とひとつのベッドにいて、正気でいられる訳がない。これでも健全な男子校生なのだから。
でも、ダサいところは見せられない。
そっと肩を抱き寄せ、莉緒の頭の下に腕を入れた。
「わっ、腕枕だ……」
恥ずかしそうにふふふと笑う莉緒。今日は何度莉緒の笑顔を見られただろう。
穏やかに流れていく時間に、このまま時が止まればいいのにと本気で願う。
「こういうクリスマスもいいね」
「だろ?」
抱き寄せキスをした。
そのまま胸に中に閉じ込める。
きっと、俺の早い鼓動は莉緒に伝わっているだろう。それでもいい。
安心したように、じっと俺の胸に抱かれている莉緒を感じ、込み上げてくるものが抑えきれない。
莉緒、俺のいない世界でも、しっかり生きてくれよ。
莉緒に見られていない今ならいいだろう。
今日だけは、許してくれ。
我慢できずに、静かに涙が頬を流れた。



