余命38日、きみに明日をあげる。


心臓のバクバクは止まらない。それどころか、どんどん加速する。

好きな子とひとつのベッドにいて、正気でいられる訳がない。これでも健全な男子校生なのだから。

でも、ダサいところは見せられない。

そっと肩を抱き寄せ、莉緒の頭の下に腕を入れた。

「わっ、腕枕だ……」

恥ずかしそうにふふふと笑う莉緒。今日は何度莉緒の笑顔を見られただろう。

穏やかに流れていく時間に、このまま時が止まればいいのにと本気で願う。

「こういうクリスマスもいいね」

「だろ?」

抱き寄せキスをした。

そのまま胸に中に閉じ込める。

きっと、俺の早い鼓動は莉緒に伝わっているだろう。それでもいい。

安心したように、じっと俺の胸に抱かれている莉緒を感じ、込み上げてくるものが抑えきれない。

莉緒、俺のいない世界でも、しっかり生きてくれよ。

莉緒に見られていない今ならいいだろう。

今日だけは、許してくれ。

我慢できずに、静かに涙が頬を流れた。