余命38日、きみに明日をあげる。


あれは、小学4年生の時。

その日は、ペルセウス座流星群が観測できる日だった。

何十年に一度の大ピークと言われ、莉緒と住宅街の裏山で一緒に観測しようと約束した。

俺は楽しみで仕方なかった。

晩ご飯を食べた8時過ぎに、レジャーシートを持って互いにこっそり家を出て、家の裏山へ上った。

今考えれば家のベランダでも十分だったが、広い空の下で寝転がって見たかったんだ。

「空がすごく近く見えるね」

「うん、吸い込まれそう」

目の前には一面の空。今にも迫ってきそうに大きくて、その迫力に圧倒された。

そしてすぐに、天体ショーが始まった。

「あ、流れ星!」

「こっちにも!」

ニュースで煽っていたとおり、1分間に何個も降ってくる流れ星。

「わー……」

自然の起こす神秘に、俺は固唾をのんで流れる星を見続けた。