あれは、小学4年生の時。
その日は、ペルセウス座流星群が観測できる日だった。
何十年に一度の大ピークと言われ、莉緒と住宅街の裏山で一緒に観測しようと約束した。
俺は楽しみで仕方なかった。
晩ご飯を食べた8時過ぎに、レジャーシートを持って互いにこっそり家を出て、家の裏山へ上った。
今考えれば家のベランダでも十分だったが、広い空の下で寝転がって見たかったんだ。
「空がすごく近く見えるね」
「うん、吸い込まれそう」
目の前には一面の空。今にも迫ってきそうに大きくて、その迫力に圧倒された。
そしてすぐに、天体ショーが始まった。
「あ、流れ星!」
「こっちにも!」
ニュースで煽っていたとおり、1分間に何個も降ってくる流れ星。
「わー……」
自然の起こす神秘に、俺は固唾をのんで流れる星を見続けた。



