「莉緒のことは何でも知ってる。莉緒は俺が守るんだ、なんて正義感ぶってたのに、莉緒が他の男と話したりしてると、面白くなくて」
トクトクトク……だんだん、心拍数が上がっていく。
そして、形のいい唇から、耳を疑うような言葉が届いた。
「俺は、莉緒が好きだ」
それは、ふいうちの告白だった。
琉生が、私を……好き？
夢かと思った。
ふわふわと体が浮いてしまいそうな感覚に、まばたきも忘れて琉生の顔を見つめる。
"琉生の好き"は、病気の私を心配する兄ような気持ちなんだと思っていた。
でも、こんなに一生懸命伝えられたら、同情と愛情を錯覚しているじゃないかという疑念もぶつけられない。
「……ありが、とう」
心の底からうれしかった。
ひとりの女の子として、私を好きになってくれたこと。
「俺と、つき合ってください」
「……っ……！」
