余命38日、きみに明日をあげる。


「えー、おねえちゃん、いい子にしてなかったのお?」

みちるちゃんが悲しそうな顔をする。

「え?」

ここで夢を壊してはいけない。

サンタさんはいくつになっても来てくれると、私だってみちるちゃんくらいの時は信じていたんだから。

「来る来る、きっと来るよ!」

慌てて言いなおすと、みちるちゃんは顔をくしゃくしゃとほころばせた。

「よかった! じゃあおねえちゃんもサンタさんにほしいものおねがいしたほうがいいよ! あと8回ねたらクリスマスなんだって。サンタさんしゅっぱつしてないと思うからまだまにあうよ」

その気の使い方に思わず笑ってしまう。

手を引かれて連れていかれたのは、短冊コーナー。

「おねーちゃんも、ほしいもの書いて!」

赤や緑の画用紙で切り取られた長ぐつ型の短冊がたくさん置いてあった。

どうしよう。なんて書こう。

渡されたマジックを手に悩んでしまう。

私にほしいものなんて……。