やりたいことは、もっともっとたくさんある。
海外旅行にも行きたいし、親孝行だってまだ出来ていない。
琉生と一緒に流星群を見た裏山にはタイムカプセルを埋めたから、それも開けたい。
『ハタチになったら一緒に開けようね』
そう約束したけれど、無理かもしれない。
だからって、その前には開けたくない。
だって、ハタチまで生きられないと、自分であきらめてしまうようなものだから。
友だちからもらった手紙やおもちゃのアクセサリーが入っている。
あとは……何を入れたんだっけ。
覚えているつもりが、7年も経ったら忘れてしまった。
でも……。
私が死んだら、琉生はひとりでタイムカプセルを開けるんだろうか。
──コンコン。
そのとき部屋のドアがノックされ、「はぁい」と返事をした。
お母さんが様子でも見に来たのかと思い、出来るだけ明るい声で。
けれど、ドアが開いて顔を覗かせたのは、なんと琉生だった。
「えっ?」



