余命38日、きみに明日をあげる。


やりたいことは、もっともっとたくさんある。

海外旅行にも行きたいし、親孝行だってまだ出来ていない。

琉生と一緒に流星群を見た裏山にはタイムカプセルを埋めたから、それも開けたい。

『ハタチになったら一緒に開けようね』

そう約束したけれど、無理かもしれない。

だからって、その前には開けたくない。

だって、ハタチまで生きられないと、自分であきらめてしまうようなものだから。

友だちからもらった手紙やおもちゃのアクセサリーが入っている。

あとは……何を入れたんだっけ。

覚えているつもりが、7年も経ったら忘れてしまった。

でも……。

私が死んだら、琉生はひとりでタイムカプセルを開けるんだろうか。

──コンコン。

そのとき部屋のドアがノックされ、「はぁい」と返事をした。

お母さんが様子でも見に来たのかと思い、出来るだけ明るい声で。

けれど、ドアが開いて顔を覗かせたのは、なんと琉生だった。

「えっ?」