「すみません……検討違いないことして」
「ナオは悪くないよ。あれはあれで、莉緒が喜んでくれたから」
「……すみません」
「一生懸命考えてくれただけありがたかったし」
トーヤと違って。
普段は出かけられないようなところに莉緒と行けた。
まるでデートのようなそれに、前の晩は眠れないくらい興奮した。
トーヤは、この間のマンガの続きを手に取っている。本当に読んでいたのか……?
「ほかに、心当たりはありますか?」
「そうだな……クレープが食べたいとか?」
真剣に考えて答えると、笑われた。
「えー、そんなこと本気で願わないですよ~。いつだって叶うじゃないですか~」
ナオにばかにされると、地味に傷つく。
やっぱり俺の想像は検討違いなのだろうか。
そうだなぁ……と考え混んだナオは、
「琉生さんと恋人になりたいとか!」
「なっ……!」
とんでもないことを言い出すものだから、俺は慌てた。



