琉生の言葉が、擦れた私の心のとげとげを取り払ってくれる。

傷口を、癒してくれる。

「だから、はい」

「いいの……?」

「当たり前だろ。今日の莉緒は誰よりもがんばってた。一等賞だよ」

「……ありがとう」

少ししわくちゃになったそれは、まるで宝石のように輝いて見えた。
 
込み上げてくる涙をグッとこらえて、私はその紙を大切に手のひらに包み込んだ。

突然教室からいなくなったことを、一花から聞いたのかもしれない。
 
居ずらかった私の気持ちを察して、探しに来てくれたの……?

「琉生……」

「ん?」

好きで好きでたまらないよ。
 
だけど、この想いは伝えられない……。

「なんでもない」

「なんだよそれっ」

太陽みたいな笑顔でははっと笑った琉生は、私の頭をくしゃくしゃとなでた。


大好き、琉生。

だから私は、今日も願うんだ。

どうか、琉生が幸せになってくれますようにと。