「ほんとうにありがとう。送ってあげられなくてごめんね」 俺はおばさんに促されるまま、冷え込む早朝、自転車を押しながら家へ帰った。 『倉木莉緒は、あと38日後に死亡する』 俺は夢を見ていたのだろうか。 でも、あの苦しさは、やけにリアルに覚えている。 首元に手を当てると、かすかに痛みを覚えた。