余命38日、きみに明日をあげる。


「倉木、お疲れ。これは倉木の分」
 
ドリンクの入っていた箱をつぶしていると、先生からスポーツドリンクが手渡された。

「私も……いいんですか?」

「もちろんだよ」

「ありがとうございます」

PTAからの支給品だから、生徒全員分あるのだろう。

走ってもいない私がもらってもいいのだろうか、という気持ちを持ちながらも受け取ると、ひそひそと声が聞こえてきた。

「あの子もドリンクもらってるよ」

「ほんとだ、疲れてもないのにね」
 
星野さんたちだ。
 
朝のことが尾を引いているのか、あのグループからの視線と風当たりはいつもより強い。

聞こえてないふりをしたけれど、胸がひりひり痛かった。