余命38日、きみに明日をあげる。


「佑香、それ今関係ないじゃん!」

「だからー、私は倉木さんに聞いてるんだってば!」
 
一花が助け舟を出してくれるけど、その度にイラついたような星野さんの声が飛んでくる。

何か言わないと。

そう思うのに、喉元が締まったようになって、言葉にならない。

鼓動も早くなり、手足がしびれてくる。どうしよう……。

なにも答えない私を見ていらいらしたのか、

「もういいよ、行こう行こう」
 
星野さんは、冷めた目で私と一花を見ると、グループの子を引き連れて教室を出て行ってしまった。

しびれが収まり、ふっと、力が抜けた。

「ったくなんなのあいつら。好き勝手なことばっかり言ってさ」
 
私のために一花が怒ってくれるのは、嬉しいけど心苦しい。

偽善ぶってるなんて、一花は完全に火の粉をかぶってしまった。

「莉緒、あんなこという人たちのことなんて気にしなくていいからね!」