「佑香、それ今関係ないじゃん!」
「だからー、私は倉木さんに聞いてるんだってば!」
一花が助け舟を出してくれるけど、その度にイラついたような星野さんの声が飛んでくる。
何か言わないと。
そう思うのに、喉元が締まったようになって、言葉にならない。
鼓動も早くなり、手足がしびれてくる。どうしよう……。
なにも答えない私を見ていらいらしたのか、
「もういいよ、行こう行こう」
星野さんは、冷めた目で私と一花を見ると、グループの子を引き連れて教室を出て行ってしまった。
しびれが収まり、ふっと、力が抜けた。
「ったくなんなのあいつら。好き勝手なことばっかり言ってさ」
私のために一花が怒ってくれるのは、嬉しいけど心苦しい。
偽善ぶってるなんて、一花は完全に火の粉をかぶってしまった。
「莉緒、あんなこという人たちのことなんて気にしなくていいからね!」



