余命38日、きみに明日をあげる。


声を荒げた一花に、微かに笑みを浮かべたあと、

「倉木さん、なにか言いたいことある?」

星野さんの視線は私へ。

さらりと揺れる長い黒髪が、威圧感を強くさせる。

「えっと……」

一花は私をかばってくれたのに、あんな言われ方して。

私がなにか言わなかったら、このまま一花が悪者になってしまう。どうしよう……。

「それに……こんなこと言いたくないけど、どうして琉生くんは倉木さんといつも一緒にいるの?」
 
おまけにそんなことまで言われ、ぎゅっと唇をかみしめる。
 
そんなの、私が一番よくわかってること。

今まできっと誰もが思って聞けなったことだと思う。

さっきよりも、みんなの視線が私に集中した気がした。
 
ここにいる全員が、興味ありますっていう反応。
 
この集中砲火は、優しくしてくれる琉生に甘え続けていた私への罰なのかもしれない。