後ろからは、星野さんを援護する声。
彼女たちは、互いの顔を見合わせて、うんうんとうなずく。
けれど、一花はそんな声を認めない。
「サボってるわけでもないのにうらやましいわけがないでしょ? 走りたくても走れない莉緒の気持ちとか考えないわけ?」
「べつに、そんな大げさな話じゃないじゃん。こんな寒い中半袖短パンになるのだってつらいし、4キロ走るなんてみんなイヤだよねって話をしてるだけなのに、ねえ?」
星野さんがグループ以外の子にまで、意見を求めるように声をかければ、目が合った子は逃れられないのか、うなずく。
「一花さあ、前から思ってたんだけど、あんたって偽善ぶるところがあるよね、そーゆーの見ててムカつくからやめた方がいいよ。倉木さんが言うならまだしも、一花がしゃしゃり出てくることないじゃん」
腕を組みながら、星野さんが一歩前へ出た。
「はあっ!?」



