余命38日、きみに明日をあげる。


後ろからは、星野さんを援護する声。

彼女たちは、互いの顔を見合わせて、うんうんとうなずく。

けれど、一花はそんな声を認めない。

「サボってるわけでもないのにうらやましいわけがないでしょ? 走りたくても走れない莉緒の気持ちとか考えないわけ?」

「べつに、そんな大げさな話じゃないじゃん。こんな寒い中半袖短パンになるのだってつらいし、4キロ走るなんてみんなイヤだよねって話をしてるだけなのに、ねえ?」
 
星野さんがグループ以外の子にまで、意見を求めるように声をかければ、目が合った子は逃れられないのか、うなずく。

「一花さあ、前から思ってたんだけど、あんたって偽善ぶるところがあるよね、そーゆーの見ててムカつくからやめた方がいいよ。倉木さんが言うならまだしも、一花がしゃしゃり出てくることないじゃん」

腕を組みながら、星野さんが一歩前へ出た。

「はあっ!?」