「あ、そういえばさ……」 真衣は顎を人差し指でツンツンしながら言った。 「あれは常木さんだったのかもしれないな」 「あれって?」 「いやさあ、この前繁華街に行ったのよ」 「え!?」 なぜ真衣がそんなところに。 「あ、違うわよ。変な想像しないで、たまたま従姉妹の家が繁華街の先にあるから、近道して通っただけ」 「なんだ、そっか」 安心した私とは裏腹に、真衣は興奮気味に話を進める。